ZEH-Okinawaプロジェクト

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沖縄の住環境の向上とゼロエネルギーハウスの普及に向けた研究と開発。

『次世代型ZEHとZEH率向上研修』~開催報告~

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去る2017年10月5日(木)、沖縄県の企業様を対象に「次世代型ZEHとZEH率向上研修会」を、那覇市の沖縄県青年会館にて開催いたしました。

以下、当研修会の内容をご報告いたします。

研修内容

午前の部

なぜZEH率を上げる必要があるのか

まず「ZEHとは何か?」についておさらいし、工務店がZEHに取り組む必要性とその要素技術について取り上げました。

背景として世界的な温暖化対策の潮流や少子化問題についてふれ、国が進めるZEH標準化の内容と効果、さらに住宅産業の変化に応じた、ZEH営業の基本スタンスと具体的な手法について解説しました。

昨今の電気料金の急騰に伴い、ZEH基準を満たすために従来推奨されてきた省エネ設備のなかには、エンドユーザーにとっての運用メリットが薄れているものも出てきており、状況の変化に応じたエンドユーザのメリットを提案していくこと、その準備を進めておくことが、営業的なポイントであることを示しました。

また、P.V.ソーラーハウス協会本部社屋は、実計測したエネルギー消費データから、完全にZEBの基準を満たしている結果が得られており、改めてエネルギー計算に基づく、高断熱住宅設計、高効率設備導入による効果が確実なものであるか、を再確認しました。

午後の部

次世代ZEH

江戸時代から明治へと時代が移り変わったとき、日本の社会と技術が短期間でいかに大きく変化したのかを史実で示し、加えて、先進諸国が2040年を目処にEVカー普及に舵を切ったこと、パソコンや通信技術が急速に普及してきた事例にもふれ、今、「社会」が、「住宅」が、短期間で大きく変化していることを指摘しました。

以降、さらなるZEHの進化と、その方向性を踏まえた新たな住宅設備とその導入、提案法について解説しました。

(1)快適でエネルギーの自給ができ、災害時にも自立できる家

住宅と蓄電池またはEV(Electric Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)とが容易に連携し、かつこれらの二次電源を常時制御させるHEMSをあらかじめ導入しておくことで、エネルギーを自給自足する「オフグリッド化」や災害時対策も可能な住宅となります。

従来のHEMSは、エネルギー消費の「見える化」を主な目的に導入されましたが、この新型HEMSはそれに留まらず、FIT買取価格保証期間を過ぎた案件の経済性低下対策として蓄電池の活用や、同時に災害時停電への備えとしても大変有効で、経済的メリットとライフライン維持を兼ねる、大きな付加価値を生み出します。

(2)常時活用できる蓄電池

従来の蓄電池は、「W発電問題」を回避するため、主に災害時対策用に利用が限定されてきました。また、コストの問題から導入するメリットを見いだせず、普及が遅れてきました。

しかし、「W発電問題」を回避しながら、より高度に充放電を制御できる安価な蓄電池を導入することによって、料金が急上昇している昼間の買電をひかえ、同時に電力会社からの買電量に付随して課金される再エネ賦課金の負担を軽減することも可能になり、経済的なメリットを提案することが見込めます。

また2019年問題対策としても、今後、蓄電池市場が一躍注目を集めることが予測されています。

(3)次世代ZEHがもたらす「標準化」の重要性

上述の新型設備の導入によって得られる具体的な効果として、従来的なエネルギー消費の見える化のみならず、総合的な電気代負担の軽減、災害停電時のライフライン電源確保の多彩化、また太陽光発電や蓄電池の段階的な導入も可能になります。

また、災害時給電の設定事例などを図面で示すとともに、様々な導入パターンに応じた試算から、導入コストに対する経済的なメリットや、会員様限定特別価格、販売奨励金などのインセンティブも発表いたしました。
そして、このような取り組みを早期に「標準化」することの重要性を、次世代ZEHとして解説いたしました。

(4)マルチな特性とハイ・コストパフォーマンスなパワコンのご提案

ZEHを計画するアイテムとして太陽光発電システムの導入計画は必要不可欠です。今回新たにご紹介したパワコンは、少ない電圧から発電する特性を持ちながら、屋外対応、重塩害対応、かつ価格優位性までも有した、ハイ・コストパフォーマンスなパワコンとなります。

このパワコンは、施工性の高い設計のため施工IDが不要で、回路設計の自由度も高く、まさに「マルチな特性」を有した導入しやすい機種となっております。

総括

今回は、次世代の住宅とエネルギー、住宅設備の具体的な方向性について思索し、進化したZEHがもたらす「快適な生活と安心」を深堀りした内容となったと思っております。

ご参加いただきました皆様、お忙しい中、ご足労をいただきありがとうございました。

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