『夏型住宅設計セミナー』~開催報告~
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11月9日(木)に沖縄産業支援センターにて、『夏型住宅設計セミナー』を開催いたしました。今回の研修では「沖縄の蒸暑気候においても室内を快適にする」をテーマに、三部構成にて研修を行いました。
以下、当セミナーの内容をご報告いたします。
研修内容
第一部:沖縄県の住宅の熱画像撮影・計測の結果報告
日本国内の他の地域とは、気候条件的に一線を画している沖縄。年間を通じて温暖・湿潤な“蒸暑地域”に該当します。難しい気候条件の中で、室内の快適性の向上を実現するためにはどのような対策をとるべきか。それを検討するためには、まず現状を知ることが必要です。
今回の研修では、“夏”に焦点を絞り、木造・無断熱1物件、木造・屋根・壁断熱2物件、RC造・天井・床断熱1物件の本島内にある計4物件について、2015年の計測開始以降に集めた温湿度データと熱画像データを用いて、そこから見えた住環境について報告を行いました。無断熱状態の住宅ではどのような現象が起きているのか、断熱を入れると外部からの熱的影響がどの程度変化するのか、木造とRC造では室内環境にどのような違いがあるのか、空調設備の使い方がどのように室内環境に影響しているのか、等…。
他でもない、沖縄県にお住まいの参加者の皆様にとってはいつも肌で感じている当たり前の環境を視覚的にご覧いただき、断熱をしていない住宅では、熱的にかなり厳しい環境になっているという事をご理解いただけたのではないでしょうか。
第二部:蒸暑地域における快適な住宅の作り方
第二部ではまず、住宅業界全体が大きく変化していること、その背景にある地球温暖化の問題等のバックグラウンドについてお話ししたのち、第一部の計測の中で得られた結果を踏まえ、再度沖縄の住宅の問題をおさらいし、どのような点に注意して設計をするべきなのか、ポイント解説を行いました。
沖縄の住宅が抱える大きな問題は、快適性と健康という観点から、以下の3点が挙げられます。
- 快適性の問題
- ❶湿度の問題
- ❷輻射熱の問題
- 健康の問題
- ❸カビの問題
この中でも特に重大なリスクを伴うのが、❸カビの問題です。強い日射によって暖められた躯体に、エアコンから吹きだされる過度に冷たい冷気が当たると、湿度の高い室内環境では比較的早い段階で「結露」が発生します。日常的に結露が発生している部分では、カビの発生リスクが高まり、果ては健康被害へと繋がっていくため、対策が重要となります。
研修の中では、これらの諸問題を抑制するためには断熱が大前提であることや、カビ(湿度)対策に貢献する全熱換気設備(温度+湿度交換換気)のご紹介やエアコン仕様のススメなどについて解説いたしました。
また、今後ZEH標準社会へ移行した後のZEHの変化予測等のお話もさせていただきました。
第三部:開口部の対策:断熱サッシと断熱ブラインドのススメ
緯度の低い沖縄では、日射熱のほとんどが天井(屋根)面から侵入します。ただし、それはあくまでも無断熱の住宅の場合。必要な断熱がされている物件では、日射熱の多くは開口部から侵入します。そこで、沖縄の気候条件にも適した断熱サッシと、開口部の日射遮蔽及び断熱性の向上、そして室内の快適性向上に貢献する断熱ブラインドをご紹介いたしました。
P.V.ソーラーハウス協会が販売するハニカム構造・断熱ブラインド《ハニカムaSsu》は、開口部の断熱性能を向上させる“窓の断熱材”です。冬場の開口部からの熱損失を抑制するのはもちろんのこと、夏場の開口部からの日射熱をカットすることで冷房負荷の減少にも寄与します。
さらに、ハニカムaSsuでは、12月より販売店・施主ともにメリットのある大変お得な『価格定額キャンペーン』を実施します。高性能の商品を、低コストで導入いただけるチャンスです!ぜひこの機会に断熱ブラインドで実現する快適性の向上と価格メリットを実感いただければと思います。
当キャンペーンにつきましては、研修の中で概要についてご説明させていただきましたが、ご参加いただいた方々には是非とも参加したいとのお声をいただきました!ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
お問合せは、こちらまでお寄せください。
沖縄のZEH普及について
沖縄の住宅は、今までは無断熱のRC造住宅が主流でしたが、ここ数年では木造住宅がシェアを伸ばし、断熱の必要性並びにZEHの考え方も徐々に広まってきたように思います。
ZEH沖縄プロジェクトの活動を通して、今後も沖縄県のZEH普及の後押しができれば幸いです。